コラム 温泉の効用とアルファースリーム

よりよく生きるためのウェルネス・コラム 第2回
温泉の効用とアルファースリーム

温泉は万病に効くと言われ古来より日本人は温泉を利用してきました。日常生活において気軽に利用できる健康増進法として温泉に行く方も多いと思います。今回は医学的に温泉がどのように体に作用して良い影響を与えるかについてまとめ、安全入浴法について説明します。

家庭での入浴の効用

家庭での入浴の効用

 温泉でなくても、家庭での入浴においても3つの効用があると言われています。第一の効用は体を温めることです。皮膚の毛細血管で暖められた血液が体を循環することによって、体が芯から温まります。体が温まると毛細血管が拡張し血液の循環が良くなります。血行が良くなれば、疲労が回復しやすくなります。
第二の効用は体を清潔にすることです。湯につかって体を温めると、毛穴が開いて汚れが落ちやすくなります。年齢とともに、皮膚が乾燥して、カサカサになる傾向がありますが、この対策として毎日の入浴と保湿剤の使用は有効です。保湿剤の使い方としては、入浴後、すばやく体をふきとり、乾燥しやすい部分にうすく膜を作るように丁寧にぬり、水分を逃さないようにすることです。 第三の効用はリラックス作用です。特に30~ 40℃のぬるめの湯には緊張をほぐし、心身をリラックスさせる効果が高いと言われています。

温泉とは

 まず温泉とは何かについて説明します。温泉法に定められた温泉の定義は、私達が温泉に対して持っている一般的イメージと異なり、実におおらかな定義になっています。その定義によれば、温泉は鉱泉及び地中から吹き出る水蒸気もしくはガスからなります。源泉から採取したときの泉水(わき水)の温度が25℃以上であるか、マンガンイオン、水素イオン、鉄イオン等、指定された19 種の物質のいずれかひとつでも、泉水(わき水)1kg中に指定された重さ以上含まれていれば鉱泉と言われます。つまり指定された19 種類の成分の一つでも既定の濃度以上含まれていれば、温度が低くても温泉と言われます。また一口に温泉と言っても、含まれている成分及びその濃度はいろいろなので日本全国にいろいろな温泉があることになります。

 温泉は温泉に含まれる成分(泉質)により分類されることがあります。泉質による分類において、いろんな成分が含まれているがいずれも既定の濃度に達していないので、源泉の温度が25℃以上ということだけで温泉に指定された温泉を単純泉と言います。単純泉は成分の少ない単なる湯、質の低い温泉だと誤解されやすいですが、含まれる成分の組み合わせによって、様々な成分を帯びることもありますし、様々な成分を少量ずつ含んだバランスの良い泉質となっていることもあります。また無色透明・無味無臭であり、刺激が少なく肌にやさしいので、老若男女誰でも入りやすく、日本で名湯といわれる有名な温泉のなかには単純泉が数多くみられます。(鬼怒川温泉、伊香保温泉、下呂温泉、道後温泉、別府温泉等の温泉における一部の温泉)

温泉の医学的作用

温泉が体に与える医学的作用は、物理作用、化学作用、総合的生体調整作用の3つに分類されます。

1.物理作用

 温泉の物理作用のなかで最も大きな作用が温熱作用です。温泉に入湯すると、皮膚毛細血管で熱せられた血液が全身を循環し、体の深部体温が上昇します。体の深部体温の上昇だけであれば、家庭での入浴と温泉入浴にあまり差はありません。温泉入浴の場合は温熱作用として保温効果が加わります。温泉の保温効果とは、温泉に含まれる物質、特に塩類が皮膚表面を膜のように覆い、汗腺を塞ぎ、発汗を抑え、その結果、熱が放散しにくくなり、体温が下がりにくくなることです。昔から、「温泉は湯ざめをしない」と言われているのはこのためです。保温効果により、体の深部体温が一定の温度以上であることが持続すれば、さらに血行が良くなります。温泉の神経痛、筋肉痛、間接痛等に対する効能は、この温泉の温熱作用によると考えられています。

2.化学作用温

 泉の化学作用とは、温泉に含まれている成分の作用、いわゆる泉質による作用です。温泉の化学作用のなかで最も重要なのが血管に対する作用と皮膚に対する作用です。温泉の血管に対する作用は、毛細血管拡張作用です。温熱作用に加え、温泉に特に二酸化炭素や硫黄成分が多く含まれていると、皮下吸収した二酸化炭素や硫黄成分により毛細血管が拡張され、顕著に血行がよくなります。皮膚に対する作用として、美肌効果が知られています。この美肌効果が起こるメカニズムはまだ完全に解明されていませんが、いくつかの種類の泉質において美肌効果があることが医学的に確かめられています。(例えばメタケイ酸、カルシウムイオン、ナトリウムイオン等が美肌効果を高めることが確かめられています)

3.総合的生体調整作用

 「温泉に行くとなんとなくゆったりして、気分がリフレッシュされる」という経験をしたことがある人は多いと思います。この現象の起こる医学的メカニズムはまだ解明はされていませんが、この現象を総合的生体調整作用と呼び、医学的研究がすすめられています。現在までの研究では、総合的生体調整作用とは、温泉だけでなく、温泉地のまわりにある山や森や海等の自然環境なども含めた総合的作用で、日常生活で乱れた自律神経系、内分泌系、免疫系などを本来の生体リズムに整える作用であると考えられています。

温泉の効用

温泉の効用

 現在の豊かな社会においては、温泉の物理作用や化学作用は入浴剤などによって部分的に代参できるので、温泉独自の作用として総合的生体調整作用だけが残っているとも言えます。その意味で温泉独自の効用として、休養、保養、療養の3つがあると言われています。休養とは日常生活における心身の疲労を解消することです。日帰りや1~2泊程度の温泉利用は、休養が目的といえます。保養は1~3週間程度温泉に滞在して、ゆっくりと疲労を回復し、心身の調子を整えることを指します。温泉の総合的調整作用の効果を得るためには数週間温泉に滞在することが必要と言われています。療養は病的な状態にある心身をいやすことを指します。温泉療養の一般的な対象は、神経痛、筋肉痛、関節痛等の疼痛緩和、慢性の皮膚疾患、慢性の胃腸病や便秘です。本格的な温泉療法は、日本温泉気候物理医学会(http://www.onki.jp)等の専門機関が認定した専門医の指導の下に行われています。温泉の効用が休養、保養、療養であるとすれば、温泉地では生体のリズムを整えるため、規則正しく過ごすことが必要です。過食や大量の飲酒を避け、ゆったりとした時間を過ごしながらも、周辺の森や山、海辺や川辺などを散歩するなど、積極的に運動を取り入れることが必要です。

安全入浴法

『補完・代替医療 温泉療法』(参考文献1参照)において、医師である久保田一雄氏(群馬温泉医学研究所所長)が、家庭で入浴する場合も含めて「安全入浴法」を提唱していますので、この「安全入浴法」を抜粋して紹介します。

1.一人では入らない

 ここで言う「一人で入らない」という意味は、必ずしも一人で入浴してはいけないということではなく、入浴するときには家族に声をかけて入り家族に見守ってもらうということも含みます。特に高齢者が家庭で入浴する場合は、「お湯加減いかがですか」等、さりげなく声かけして、家族が安否確認したほうが良い。温泉地での入浴の場合は、慣れない大浴場の場合が多いので、できるだけ家族・友人等と一緒に入浴したほうが良い。

2.浴槽のふたを利用し、事故防止を図る

 家庭の浴槽に入るときには、背を浴槽につけて、膝を少し曲げたいわゆる体育座りの姿勢が一般的ですが、このスタイルでは身体になんらかの異常が起こると、前かがみになっておぼれてしまします。これを防ぐために、浴槽のふたを胸の前に置くことをお勧めします。

3.更衣室と浴室の温度管理

 冬季の入浴において、寒い更衣室で衣服を脱ぎ、床が冷たく、室温の低い浴室に入るだけで、血圧と心拍数は大きく変化します。家庭で入浴する際は、居間、更衣室、浴室に余り大きな温度差がないように、更衣室や浴室を暖房するようにします。浴室暖房が備わっていない場合、入浴10分くらい前に浴槽のふたを開けて蒸気で温める方法があります。温泉地の更衣室や浴室は暖房等でしっかり温度管理をしている場合が多いですが、温泉地で問題なのは露天風呂です。夏場はともかく、冬季の露天風呂は特に注意が必要です。「雪降る露天風呂」に飛び込むのは愚行そのものです。氷点下の戸外に飛び出した瞬間に血圧は一気に上昇し、そのうえ熱いお湯に飛び込むと血圧や心拍数はさらに上昇します。ただし、露天風呂そのものが悪いわけではありません。あくまで室温と外の気温の差が極端に大きい時(外の気温が氷点下の時等)には露天風呂に入るのはやめたほうが良いということです。

4.入浴前後に水分補給

 入浴によって、身体から水分が失われるので、安全のために入浴前にコップ1杯の水分補給、入浴後にもコップ1杯の水分補給をお勧めします。また寝る前にコップ1杯の水を飲むと心臓や脳の病気にならないと古人の知恵として言い伝えがありますが、現代医学からみても、早朝の血液粘度上昇の緩和がみられ、医学的に効果が確認できます。寝る前だけでなく、夜中にトイレに起きたらその時にもさらに水分補給をすることを勧めます。

5.42℃以上の湯には入らない

 体への負荷を考えて42℃以上のお湯には入らないようにする。高齢者は高温浴を好む傾向がありますが、それは温度に対する皮膚の感覚が低下していて、高温を高温と感じることができなくなっているからです。

6.水位は胸まで(心臓疾患や高血圧の場合)

 心臓疾患や高血圧症の人は、水圧の関係で不整脈等が起こることが報告されているので、肩まで湯につからず、心臓の線ぐらいまでの半身浴が安全です。ただし、高齢者であっても、心臓や血圧に問題がなければ、肩まで湯につかっても特に問題はありません。

7.朝の入浴は避ける

 一般的に心筋梗塞や脳梗塞などの血栓性の障害は朝の4 時から10 時ころに頻発します。 温泉地においてもこの時間帯の入浴事故は少なくないので、この時間帯の入浴は避け たほうが良いです。

8.飲酒後、食直後は入浴しない

 飲酒後の入浴事故が多く報告されているので、飲酒後の入浴は控えたほうが良いです。 また入湯の温熱作用により皮膚の血管が拡張し、血液が皮膚に集まり消化不良になる可能性があるので、食直後の入浴は避けた方が良いです。食後30~60 分経ってからの入浴が最適です。

温泉の効用とアルファースリーム

温泉の効用とアルファースリーム

 先日、NHKBS2の科学情報番組で、温泉の効用を医学的に解明する番組(参考映像資料1参照)が放送されました。このなかで、温泉(硫黄泉+二酸化炭素泉)入浴後の方が、普通の水のお湯入浴後よりも明らかに血行が良くなることを、指先の毛細血管の顕微鏡画像を比較することによって証明していました。温泉による温熱効果に加え、温泉に含まれる硫黄や二酸化炭素により、毛細血管が拡張されることによって、血行が良くなったのです。温泉に入浴した時と同様にアルファースリーム利用後に血行が良くなっていることが指先の毛細血管画像によりはっきりと確認できます。アルファースリームは、鉱石の作用により、体の血行を良くします。

< 毛細血管画像 >

 毛細血管画像

温泉の効用は長時間継続するわけではありません。また病気の人や高齢者は、温泉入浴するときには注意が必要です。それに比べて、アルファースリームは、体の弱い人や病気の人でも利用でき、老若男女すべての人がいつでも気軽に利用いただくことができます。

アルファースリーム

 当社は、現在複数の医療機関において客観的な臨床データを地道に収集しています。科学的裏付けに基づいたアルファースリームシリーズの寝具関連商品を通じて、当社は、老若男女あらゆる人に「簡単」で、「体にやさしい」方法で、「着実で継続的な効能」をもたらすことを目指しています。

< 参考文献>

『補完・代替医療 温泉療法』92pp. 金芳堂
『温泉はなぜ体によいか―「万病に効く」ひみつをさぐる―』 226pp. 講談社(講談社ブルーバックス)
『温泉の医学』231pp. 講談社(講談社現代新書)
「老年者における温泉の効果」『温泉科学』第41 巻第2 号 pp.105-111. 日本温泉科学会

<参考映像資料>

1.『アインシュタインの眼セレクション 見えてきたこれが温泉パワー』
NHK BS2 2008 年4 月11 日(金) 20:10~21:00 放送 文責 オノウエススム

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