コラム 心臓に負担をかけないリラックスによる血流促進“体温コントロール術 その2”

よりよく生きるためのウェルネス・コラム 第23回

血液循環

血液循環

血液循環は肺循環系(心臓→肺動脈→肺→肺胞部毛細血管→肺静脈→心臓)と体循環系(心臓→動脈→肺以外の全身→末梢部毛細血管→静脈→心臓)に分けられます。

肺循環について

心臓に戻ってきた血液はまず肺に送られ、そこで血中の二酸化炭素を排出し酸素を取り入れ心臓へ戻り、今度は体中に送り出されていきます。血液は、太い血管から細い血管へと分岐を繰り返しながら本数が増えていく動脈血管を通って、体の隅々まで運ばれ、今度は細い血管から太い血管へと合流している静脈血管を通ってまた心臓へと戻ってくるわけです。

体循環について

体循環について

心臓から排出された血液は(安静時は1分間5L程)、全ての臓器や組織を通って戻ってくる訳ではなく、分岐をする過程で割り振られていきます。配分率は脳15%、肝臓・脾臓および消化器系30%、腎臓20%、骨格筋15%、皮膚5%、骨・生殖器・その他10%、心臓(冠循環)5%ほどになります。例えば腎臓へは1分間1L程の血液が送られまた心臓へと戻ってくるわけです。

貯まっている静脈の血流をいかに心臓へ戻すかが基本!
心臓7%、肺循環系に9%以外の、体循環系血管にある血液量を各部位別にみてみると、大動脈~細動脈に全血液量の15%、毛細血管に5%、細静脈~大静脈64%となっています。(研究者により数値は違うので厳密なものではありませんが)このように静脈系に血液は貯まっているということで、静脈系を容量血管系と言ったりもします。この貯まっている血液がより心臓へ戻るようになると(有効循環血液の量が増えると)、運動能力をはじめ体の機能が向上します。

微小循環系

微小循環系

心臓から出て末端の毛細血管まで行った血液は、そこで血中の酸素、栄養素、ホルモンなどを血管外に満ちている組織液へと放出し、代わりに組織細胞で生まれた代謝産物、二酸化炭素や老廃物を血中に吸収し、細静脈を通ってまた心臓へと戻ってきます。毛細血管では血管壁を通り抜け放出、吸収されるので、臓器の毛細血管には少し大きな分子量(サイズ)の物を通せるようにと穴が開いたものなどもあります。一部はリンパ管で吸収され心臓の手前の静脈へ送られます。ここでの物質交換の働きが生命を維持しているのです。
この細動脈→毛細血管→組織液(細胞)→細静脈の血液循環は微小循環系と名付けられていますが、細動脈の血管の部分が交感神経の働きにより収縮や拡張することで、流入する血液量がコントロールされます。(この他にも収縮・拡張に関わっているホルモン等の物質がいくつかあります。)
仮に毛細血管への血液流入量が20%増えたとすると物質交換の働き(量)が20%増すことになりますから、かなり大きな機能向上となります。

皮膚の微小循環系

皮膚の微小循環系

核心体温(深部体温)を保つために行われること
皮膚の微小循環系は、物質交換の働きのほかに体温調節という重要な役割を担っています。核心体温(=体の深部の体温)は、これを一定の範囲内に保つように働きます。皮膚の表面近くを流れる血液は外気温の影響を受けます。低い外気温に接して血液温度が低くなり核心体温を下げそうな時は、皮膚の毛細血管に行く血液を減らします。逆に高い外気温に接して血液温度が上がり核心温度を上げてしまいそうになると、皮膚から発汗が始まり蒸発熱で血液温度を下げます。100㏄の汗を蒸発させると体温は1℃下がります。汗は血液の液体成分(血漿)が染み出したものですから、皮膚の毛細血管に行く血液は増えます。

皮膚の微小循環系

冷え性の人は核心体温を守るため毛細血管血流量が落ちます→つまり細胞の働きが弱まる
この皮膚での体温コントロールのために働いているもう一つの重要なシステムが動静脈吻合です。これは毛細血管網の手前にあり、血液が毛細血管を通らずに動脈から静脈へと流れることができるようにしているものです。ただこの動静脈吻合が多くあるのは、皮膚では毛の生えていないという特定の場所になります。手のひら、指先、足の裏、唇、鼻、耳たぶなどです。
動静脈吻合のある部分では、毛細血管に行く血液量を減らした場合は、その分ここを通って静脈へ流れていきます。高温になり、毛細血管に流れる血流量だけの発汗だけでは間に合わなくなると、この動静脈吻合へ血液を大量に流しそこで放熱をさせています。動静脈吻合の血管の太さは毛細血管の10倍ほどですから、血流量は10,000倍になります。(血管の太さと血流量の関係は血管の半径の4乗で変化していきます。)静脈に入った血液も皮膚表面に近い表在静脈に流れるようにして、放熱を助けます。 

簡単にできる代表的な血液循環促進の3つの方法

①運動と血液循環 →心拍数があがり心臓に負担がかかる

運動と血液循環 →心拍数があがり心臓に負担がかかる

運動負荷の軽い運動の時は、骨格筋ポンプや呼吸ポンプの働きで心臓へ戻る血液を増やして対応しますが、運動が持続し負荷が増すにつれて、骨格筋の血管拡張による一層の血流量の増加に対応するために、内臓の血管を収縮させ流入する血液量を減らしたり、内臓静脈血管を収縮させ貯えていた血液を放出し血液量を確保して、その分を骨格筋へ配分していきます。激しい運動時には、心排出量が1分間25L程と安静時の5倍にもなりますが、全体の80%が骨格筋へと流れ込んでいきます。また運動によって体温が上昇してくると、骨格筋へと流れ込んでいた血液が体温抑制のため皮膚へも配分されるため、骨格筋への血流量はその分、減っていきます。ただどういう場合でも、脳へ行く血液量は一定に保たれるようになってはいます。
骨格筋への血流量を増やすには心臓から送り出す血液量を増やさなければいけませんが、一回の排出量はそう増えませんので、心臓(ポンプ)の心拍数(スピード)を上げることになります。心臓を動かしている心筋は冠循環により酸素が供給されていますので、心筋の活動量が増えるほど冠循環には負担がかかることになります。運動選手などで心臓自体が大きくなる心肥大になっている人もいます。
健康面から考えると、骨格筋ポンプや呼吸ポンプの働きで心臓へ戻る血液を増やす程度の運動負荷(軽いジョギング程度まで)が適当で、内臓血管が収縮するようなそれ以上の負荷は却ってマイナスになると思われます。

②入浴と血液循環 →適切な入浴法を心がける必要がある

入浴で体を温めると血液の循環は良くなります。一般的な湯温は39~41℃ぐらいですが、時間が経つにつれ発汗が始まります。外気温が高く核心体温が上がるのを防ぐための反応と同じです。ですから水分の補給なしで長時間入浴していると、血液の血漿が少なくなり血液の粘度が上がってしまいます。

入浴と血液循環 →適切な入浴法を心がける必要がある

また心地よさを通り過ぎ熱さを感じる温度では、皮膚の毛細血管や動静脈吻合の血液量は増えても、その刺激により交感神経が活発になるので、内臓などの毛細血管では細動脈の収縮により却って血液量が減ることになってしまいます。入浴時、首までお湯に浸かる入り方をしますが、その時胸部に加わる水圧は結構大きいものです。ですから心臓はかなり圧迫された状態になって、拍動に負荷がかかってしまいます。
健康増進のための入浴ということでは、入浴前にコップ1杯の水を飲み、心地よさを感じるような湯温で、胸ぐらいの深さまで浸かるという入浴方法が大切です。また長時間入浴すると汗腺や毛根が開いているので放熱が多くなり、上がった後の体温の下がり方が比較的速いですから、外気温が低い時には保温に注意が必要です。

③リラックスと血液循環 →心臓に負担をかけず毛細血管の血流のみを促進

毛細血管の血流をコントロールしているのが細動脈で、交感神経が支配していることは先に述べました。この細動脈は収縮と拡張をすることで血圧を調節する役割があり、ある程度の血圧を維持するために日頃から少し収縮しています。ですから、いつでも拡張して血液がたくさん流れればいいということではなく、収縮、拡張反応が状況に応じて適切に起こることが必要です。
例えば起立性調節障害(立ちくらみ)は、立ち上がった時に下肢の細動脈が収縮して血圧を上げ、脳へ血液を素早く送りこむ機能、収縮反応が弱いことで起こります。また低血圧の方も全般的に収縮反応が弱いようです。こういう方は入浴後上がる前に、下肢(膝から下ぐらい)に冷たい水を何回かかけて、その冷たさで交感神経を一瞬強く刺激する、ということを繰り返していくと状態が良くなっていきます。
逆に、拡張させるには交感神経の活動を緩めればいいわけです。交感神経は「闘争または逃走の神経」と呼ばれるように、精神的な緊張状態で活動しますので、リラックスした状態で活動は低下します。リラックスした状態とは、具体的には「穏やかな心地よさを感じている状態」ということができます。心地よさが感じられるものは人により様々でしょうが、交感神経の活動を緩めるということではどんなものでも構わないと思います。また皮膚の暖かさを感じていると精神的にも温かさを感じる、ということが色々な研究で分かってきましたので、入浴に限らず体を暖かくするということも効果的です。

文責:イシヅカタツオ

<<<<温泉の効用とアルファースリーム>>>>

温泉の効用とアルファースリーム

2007年、NHK BS2の科学情報番組で、温泉の効用を医学的に解明する番組が放送されました。このなかで、温泉(硫黄泉+二酸化炭素泉)入浴後の方が、普通の水のお湯入浴後よりも明らかに血行が良くなることを、指先の毛細血管の顕微鏡画像を比較することによって証明していました。 温泉による温熱効果に加え、温泉に含まれる硫黄や二酸化
炭素により、毛細血管が拡張されることによって、血行が良くなったのです。温泉に入浴した時と同様にアルファースリーム利用後に血行が良くなっていることが指先の毛細血管画像によりはっきりと確認できます。
アルファースリームの鉱石から放出される9.8ミクロンの遠赤外線の波長が人体と共振共鳴。リラックスした状態により緊張を緩め、温泉への入浴と同様の血液循環の促進が期待できます。しかし温泉と異なる点は、全身の血流量を変えず、毛細血管のみの血流量を促進することで心拍数を変えず心臓に負担をかけないことです。

温泉の効用とアルファースリーム

温泉の効用は長時間継続するわけではありません。また病気の人や高齢者は、温泉入浴するときには注意が必要です。それに比べて、アルファースリームは、体の弱い人や病気の人でも利用でき、老若男女すべての人がいつでも気軽に利用いただくことができます。当製品は、医療機関において客観的な臨床データを基に世界の主要国で医療機器認定を受けています。科学的裏付けに基づいたアルファースリームシリーズの寝具関連商品を通じて、老若男女あらゆる人に「簡単」で、「体にやさしい」方法で、「着実で継続的な効能」をもたらすことを目指しています。

Copyright(C)2012 Holistic Wellness co,ltd All Rights Reserved.

  • イベントセミナー情報
  • 出版マスコミ掲載
  • 利用導入実績
  • 学術研究臨床データ